江戸時代のクソゲー、大局将棋を想う

最近は日が短くなってきて、6時には真っ暗になってしまう。秋の訪れを肌で感じる。

そんな暗い帰り道、私はチャリンコを漕いでいた。すると、あることに気づいた。自転車のライトが左前を照らしている。おかしい。ライトは真正面を照らすべきだ。ライトがなぜレフトを照らしているのか。

これじゃまるで「右車」ではないか!

 

 

皆さんは大局将棋をご存知であろうか。

縦横36マスの盤面で、自陣敵陣合わせて804枚の駒を用いて戦う、世界最大の将棋。それが大局将棋である。

詳しいことは全てwikiに書いてある。

大局将棋 - Wikipedia

 

そして私がさっき言った「右車」とは、「大局将棋」の駒の1つである。

右車の動き方は以下の通り。

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左前と前と右後ろに真っすぐ進めて、さらに右隣りに1マス進める。普通の将棋では有り得ないような奇妙な動きである。

この調子で、それぞれの駒に動き方が決まっている。駒は209種類。もう、うんざりである。誰が遊ぶというのか。「大局将棋やろう」なんて言われたら、それは死刑宣告である。209種類の動きを覚える所から始め、いざ試合を始めても全然終わらない。「トリビアの泉」で大局将棋を実際にやったところ、対局時間は32時間41分だったそうだ。分かりやすくクソゲーである。そんな江戸時代のクソゲー、「大局将棋」の魅力を噛み砕いて紹介しよう。

 

まず大局将棋には「持ち駒」というルールがない。どんどん駒は減っていき、盤面は見やすくなる。ほら、少し遊ぶハードルが低くなったでしょ?

次に、王将を取っても終わらない。これは衝撃のルールである。「王将」と「太子」を取るか詰みにして、初めて勝ちとなるのだ。親が死んでも子が生きていれば負けにはならないのである。このように、大局将棋にはドラマがある。ほら、興味が出てきたでしょ?

そしてもう一つ衝撃のルールがあって、「醉象」が成ると「太子」になる。「醉象」は、その名の通り酒や色欲に酔っている象のことである。これが成ると太子になる。そしてその場合、この太子も取るか詰むかしないと勝ちにはならない。ほら、段々めんどくさくなってきたでしょ?

 

 

ルールはさておき、209種類の駒の一部を見てみよう。

まずはこちら。

天狗である。

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天狗は角行の動きを2回できる。こんな動きされたら勝てる気がしない。どこにいようが天狗は迫ってくる。狙われたら終わり。後ろを見てごらん、天狗がいるよ。

これの飛車バージョンに鉤行という駒もある。天狗よりもこっちの方が強いが、字面では天狗の方が強そう。

 

 

 

次にこれ。横行

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横にはいくらでも進めるが前後には1マスしか進めない。何となく邪魔になりそうである。早く駒を前に出したいときに横に進む能力は必要ないだろう。横行がいる列は進みが遅そうだ。全て憶測で語っている。

 

 

 

最後に紹介するのは小亀

ここで一度、自分で動き方を想像してほしい。

小亀はどんな動き方をするのか。

小さい亀である。

 

 

……想像できたであろうか。

 

 

小亀の動き方は、以下の通り。

 

 

 

 

 

 

 

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前後斜めにいくらでも進め、横には2マスずつ、さらに前後に駒があっても2マス目まで飛び越えることが出来る!!

 

めーちゃくちゃ進めるじゃん。

小さい亀だよ。なんでこんなに縦横無尽なの。どうやって飛び越えるの。こんなん亀じゃなくてノコノコじゃん(?)。

 

 

こんな感じでカオスな大局将棋、いつかやってみたいとも思いません。終わり。

 

 

 

大局将棋が遊べるサイトはこちら!!!!

将棋ったーβ - 大局将棋 のルール